ペルチェ素子という冷却装置

ペルチェ素子とは、直接電流を流すことによって、一方の面から他方の面へと熱を移動させる効果があり、冷却・加熱・温度制御を行うことのできる半導体素子のことです。

2枚の異なる金属を張り合わせた構造になっており、その接合面に直接電流を流すとペルチェ効果という現象によって、それぞれの面にジュール熱以外の発熱と吸熱が発生します。p型の熱半導体とn型の熱半導体を電極と直列に接続して電流を流すと、電荷の移動が起こり、その電荷がエネルギー(熱)を運ぶため熱の移動が起きます。

また、片方の電極から十分な放熱を行うと、吸熱作用も同時に連続的に得ることができ、電極の極性を逆にすると熱の移動方向も逆にすることができます。熱の移動方向を逆にすることにより、冷却・加熱する面を簡単に逆転させることができます。かける電流や電圧によって温度を制御することが可能で、逆に発生した温度差を電流に変換することもできます。

小型で軽量・コンパクトなサイズであることや、構造がシンプルなので保守点検が容易であること、可動部がないためファンのような騒音が発生しないこと、放熱だけでなく周辺の温度以下まで冷却する効果も持っていることなどのメリットがあり、コンピュータのCPUや家電製品、小型のワインクーラーの冷却装置として使われることが多いです。

ペルチェ素子の効果について詳しく知りたいという場合は、インターネットで検索してみるのが良いでしょう。

 

 

ペルチェ効果とゼーベック効果と未来

ペルチェ効果とは、ある金属Aとそれとは異なる金属Bの接合部に電流を流すことで金属Aから金属Bに熱が移動したり熱が吸収される現象のことをいます。これを発見したのはフランス人物理学者のジャン・シャルル・ペルティエです。この現象が発見された63年前の1821年には、エストニアの物理学者であるトーマス・ゼーベックによって、2つの異なる金属Aと金属Bの接合部に温度差を設けると電圧が発生するゼーベック効果が発見されています。

このペルチェ効果とゼーベック効果は電流から熱へ、熱から電流へを互いに証明した原理となっており、電流から熱への変換は冷却装置として利用され、熱から電流へは発電装置として研究されているのです。

ペルチェ素子は冷却・発電の双方において利用されていて、冷却装置としてはパソコンのCPUやGPU、車内で利用する小型冷蔵庫、医療用の冷却用機器などにも利用されています。

また特徴である、熱源と装置との間に1度の温度差があれば発電できることから、携帯通信機器、無線センサー、地熱・温泉熱発電、太陽光発電との組み合わせたり、工場・焼却炉・自動車などの排熱を発生する場所での発電などが研究されています。

さらに、小型化が容易であることから、いままで発電所を設置できなかった場所に小型発電所を設置したり、熱源である体温と医療機器の温度差を利用して体内で機能するマイクロマシーンなどへの応用が考えられています。このペルチェ素子を使った冷却とゼーベック発電が未来を開くかもしれないのです。